今日は僕の師匠の通夜
今日は僕の師匠の通夜でした
この職場で6年共に働き仕事を教えてもらい時には殴られ蹴られ怒鳴られ時には殴り返して大喧嘩もして
よく仕事終わってから遊びに行ったり飲みに行ったりと多くのことを教えてもらいました
まだシェフも30代で僕も20代半ば お互いに成長して前に進んでいる最中でした
朝から晩まで働きいつも料理のことばかり考えている料理馬鹿な職人シェフでした
口で説明するのが苦手なシャイなシェフでした
酒飲むと色々教えてくれて愉快なシェフでした
思い出すと良いことも悪いことも沢山教えてもらいました
考えが合わず口論することも度々ありましたが耐えました
もうどうしても耐えられなくなり一度だけ夜中の2時ごろ仕込み諦めてお世話になりましたとシェフのデスクに辞表置いて逃げようとしたこともありました
電気消して鍵閉めてさあ帰ろうとした時にこのまま脱げて悔しくないのかと我に帰り捨てられた抹茶のババロア見ながらもっと良い物作って見返してやると作り直して車で稲永埠頭まで行って散々叫んでお店に帰って寝てた事など思い出します
シェフは人間性はともかく料理人としての技術や信念 料理に対する真摯な心は本物でした
あれほどフランス料理が好きな人も周りにほとんどいません
僕が食べてきたフレンチでシェフのブールブランが今までで一番美味しいです
料理に関しては足元にも及びません
しばらくして僕もシェフも他のお店でシェフするようになりましたがシェフが僕に もうデザートでは井上には敵わんな!と言ってくれた時はすごく嬉しかったです
ここ数年連絡も会うことも人伝で聞いていたのでとても心配していました
シェフは先に逝ってしまいましたが僕はもう少し頑張りたいです
シェフ 本当にありがとうございました
また倒れるぐらい飲み明かしましょう
もう少しだけお待ちください
本当に本当にありがとうございました!